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物質工学工業技術研究所
平成8年度 外部評価実施報告書について

(概 要)


1.評 価 体 制、検 討 経 過

 1) 準備の概要
  平成8年10月に研究所内に作業チーム(外部評価WG、評価データベースWG)を組織した。外部評価WGでは、8回の会合を持ち、評価方式、委員の人選、委員会への提出資料の内容検討等の作業を進めた。平行して、評価データベースWGにおいて、提出資料作成に必要なデータベースの整備・補強を進めた。

 2) 評 価 委 員 会委 員 名 簿
  2日間の内、第1日目は、研究所の活動全般の説明日とし研究現場視察、研究所の組織運営全般、研究の現況説明を実施した。第2日目は基本的には研究所サイドの関与なしに、委員会審議を行い、評価意見の概要が取り纏められた。さらに、評価意見に対する研究所サイドとの意見交換を行った。後日各委員の詳細評価意見をもとに評価委員長が最終報告書案を取り纏め、文書により各委員の承認を経て成案とした。

2.評 価 結 果
 全体としては重大な問題点は見い出されず健闘していると評価されたが、個別には多岐にわたる改善点の指摘や助言が提出された。評価意見の一部には、研究所内部のみでは解決出来ない課題も含まれる。短期的に可能な制度改善以外に、長期的な視点からの努力にも継続的に取り組み、研究活動の一層の発展を計ることへの期待が示された。

 1)重点研究分野の選定
  国立研としてのミッションに照らし、持続可能な社会の実現や、新産業技術の創出もしくはその基盤となる科学・技術上の知識の集積を目標とする重点研究分野が明確に示されており、国立研に期待したい研究として概ね適切と判断された。しかし具体的な重点分野である資源・エネルギー、環境調和、光利用技術、物質安全、物質標準についてその何処に中期的重点を置くのかの適切な選択が重要である。また決定に当たってアドバイザリーボードのような形式で外部の意見を聴くことは組織運営上有意義であり、検討事項として指摘された。また所の方針決定のために、企画室と独立な部署を設けて調査研究機能を強化するべきとされた。

 2)研究テーマの選定
  現在推進されている研究テーマの選定はほぼ適切であるが、類型的・定型的で独自性の少ないテーマも少なからずある。重点テーマについては、工学、技術に関する独自性ある研究が、物質研の視点による明確な位置づけと評価に基づいて選定されることが望ましい。研究テーマの選定についても、外部の意見や評価を何らかのかたちで反映させるようにすることが望ましい。

 3)研 究 体 制
  現在の組織に関しては過去の研究所再編の歴史を背負っている形跡が見られる現在の部・室の体制を、より最近の科学技術の進歩の速度に対応できるように工夫する必要があろう。現状を改善する手段としてグループ制の試行が計画されており、期待して見守りたい。

 4)研究者の確保・育成・評価
  公務員制度の制約の下にもかかわらず、研究者の流動性も適度にあり、また中途採用による研究者の確保にも努力の跡が見られる。今後は優秀な研究者をより多様に採用する方策が望まれる。業績評価は多様化・改善の方向へ進んでいると評価された。その上で第三者によるアドバイザリボードのような外的因子を導入し、この外的評価に基づいた客観的な自己評価体制も重要である。硬直化している給与制度や予算制度の下では、評価結果をタイムリーかつ効果的に研究活動や研究者の処遇へ反映させることは難しいことであるが、この点で所長や部長の権限の一層の拡大が重要である。さらに世界に通用するキーパーソンの育成と処遇の方策について検討を求められた。

 5)交 流(共同研究等)による研究内容の充実
  共同研究、技術指導、研究者招聘、研究者派遣のいずれも数の上では活発に行 われている。一方、異動を伴う交流は、少ない。この点では今後一層の努力が必要である。

 6)研 究 成 果
  国立研としては論文数は多い方に属すが、大学と比較すると特に英文での論文発表は少なく、海外への成果の発信に力を入れて欲しい。しかし、国立研にはミッションに係わる別の尺度があるはずであり、評価基準の明確化及び論文、特許、研究支援の重み付けを確立する努力を払って、論文のみに偏らない評価が必要である。
  民間への技術移転に関しては、外国への特許出願のための予算確保等が、今後の検討課題である。

3 外部評価を踏まえた当所の対応

 1)所内に次長を委員長とする外部評価フォローアップワーキンググループを設置し、外部評価報告書で指摘された事項について
  (1)早急に対応策を検討すべき課題、
  (2)中長期的に対応策を検討すべき課題、
  (3)既に対応済みの課題、
  (4)工技院で今後検討を進めることが適当と思われる課題、
  に分類し、検討を行った。

 2)次の4つの早急に対応策を検討すべき課題について、具体策を検討し、順次実施している。
  (1)アドバイザリーボードの設置
  (2)調査研究部門の強化
  (3)産学官連携促進のための方策
  (4)世界に通用するキーパーソンの育成と処遇の方策


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委 員 名 簿

柳田 博明 委員長、日本ファインセラミックスセンター、試験研究所、所長
猪股 吉三 科学技術庁、無機材質研究所、所長
古賀 達蔵 筑波大学、副学長
雀部 博之 理化学研究所、主任研究員
Tkatchenko, Igor フランス国立科学研究センター、触媒研究所、所長
中井  武 東京工業大学、工学部、化学工学科、教授
二瓶 好正 東京大学、生産技術研究所、教授
藤嶋  昭 東京大学、工学部、応用化学科、教授
古崎 新太郎 東京大学、工学部、化学生命工学科、教授
細矢 治夫 お茶の水女子大学、理学部、情報科学科、教授
御園生 誠 東京大学,工学部,応用化学科,教授
和田 啓輔 三菱化学株式会社、横浜総合研究所、所長



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