![]() |
|
|
光照射,電場印加,温度変化,pH変化,化学物質の添加など,刺激の付与(環境変化)に応じて形状や物性を著しく変える刺激応答性高分子ゲルは,感知,判断,運動・認識といった高度機能を兼ね備えた知的材料として注目されている。知的な複合機能を備えているばかりでなく,材料自身がソフトで,かつ柔軟な動きを示すため,生体機能模倣材料としても期待されている。 ポリビニルメチルエーテル(PVME)水溶液にγ線を照射すると,室温では水和・膨潤しているが,温度が上がると脱水和して収縮する感熱性の高分子ゲルが調製される。ゼリーのように均質透明なPVMEゲルを温めると白濁し透明性が変化する。多孔質構造のゲルを調製したり,繊維や粒子など小さな形に成形すると,高速で伸縮する。多孔質構造をもつ繊維状PVMEゲル(写真)の場合,伸縮速度は1秒末満という速さである。 また,生体の平滑筋に含まれるミオシン分子を活性保護条件の下でグルタールアルデヒドにより化学架橋すると,ATP添加に特異的に応答して速やかに収縮するゲル状構造体が生成される。本ミオシンゲルは,生体高分子上で起こるミクロな反応を直接マクロな形で取り出すという機能原理に基づく初めての刺激応答性ゲルと考えられ,非常に鋭敏な応答感度を有している。
多孔質構造の繊維状PVMEゲル |