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明けましておめでとうございます。 いよいよ21世紀が幕を開けました。前世紀を科学技術の分野から振り返ってみますと、富と利便性への人類の欲求に応ずべく、この100年の間に学問としての基礎科学が産業技術の基盤である工学との結びつきを深め、資源の開拓や様々な物質・材料及び機械器具類の開発が行われました。その過程では、2度の世界大戦を契機に各国で軍事力強化のための科学技術活動が活発化し、その後の約半世紀には産業経済の発展を目的にした研究開発の専門化、多様化、先端化、巨大化などが急速に進みました。資源の枯渇、環境破壊、健康問題などへの懸念から、科学技術の在り方が真剣に問い直されるようになったのは、20世紀も終わりに近づいてのことでした。「遅ればせながらも事態の重要性を共通認識とし、課題解決への道筋を立てて具体化することにより持続可能な社会を構築する」ことが、まさに新世紀に生きる者に課せられた責務となっています。 人間や地球にやさしい省資源・省エネルギ−型の産業技術体系を築いていくうえで“ものづくり”がその基盤であることを否定する人はおりません。しかしながら、同じ“ものづくり”の範疇でも、最終的な姿として目に触れる機械器具類に比較して、物質や材料の開発はその重要性が理解されにくい側面を持ち合わせています。研究成果の実用化率の低いこともその一因ですが、反面大きな波及効果の期待できるキ−テクノロジ−となる分野であり、素材の段階から安全性やリサイクル性を考慮することが持続可能性実現に必須との観点からも、新世紀を支える新しい物質・材料の開発に今後も取り組んで行かなければなりまん。白川教授らによる導電性高分子の開発に対する今回のノ−ベル化学賞の授与は、こうした物質・材料系研究の重要性を広く社会に認知させる良い機会となりました。 物質工学工業技術研究所は他の旧工業技術院傘下の14研究機関とともに、本年4月に独立行政法人産業技術総合研究所へと衣替えをします。当所の職員の多くは、物質・プロセス、環境調和技術、ナノテクノロジ−、計測標準、電力エネルギ−、計算科学などに係わる研究を継続的に実施する研究部門、および光反応制御、高分子基盤技術、フッ素系等温暖化物質対策技術、新炭素系材料、スマ−ト・ストラクチャ−、界面ナノア−キテクトニクス、グリ−ンプロセスなどの研究を集中的に推進する研究センタ−あるいはラボに所属することになりますが、引き続き物質・材料系の研究開発を通して国の研究機関が果たすべきミッションに応えていく所存です。関係各位の皆様方の従来にも増してのご指導、ご支援をよろしくお願い申しあげます。 |