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無触媒で超高分子量のポリカーボナートを合成


−分子量88万の超高分子量芳香族ポリカーボナートを世界で初めて合成−

工業技術院・産業技術研究開発制度「独創的高機能材料創製技術」
精密縮合重合研究グループ(グループリーダー・上田 充山形大学教授)
物質工学工業技術研究所(高分子合成グループ・リーダー 竹内 和彦)
(財)高分子素材センター


開発の概要
 工業技術院物質工学工業技術研究所は、芳香族カーボナート(注1)の環状オリゴマーを開環重合することにより、無触媒で88万を越える超高分子量のポリカーボナートを合成することに成功した。これまでの合成技術(縮合重合法)では数万〜20万程度で、それ以上の分子量のポリカーボナートを合成することは困難とされてきたが、今回、非常に活性の高い環員数の小さな環状オリゴマーの純品(もしくは混合物)を原料に用い、固相状態のまま加熱する新しい製造法の開発により、短時間に超高分子量のポリマーが合成できた。
 また、現在工業的に製造されているポリカーボナートは何らかの触媒を添加して合成されており、成形品から触媒由来の不純物を完全に取り除くことが困難であったが、今回開発した新製法では純度の高いポリマーが容易に得られるという特徴もある。このポリカーボナートは活性塩素等の不純物を全く含まないため、耐衝撃性、熱安定性、透明性等が要求されるエンジニアリングプラスティックとして、従来より高性能な物性を要求される新規用途への応用が期待される。

 今回の成果は、工業技術院の産業科学技術研究開発制度で実施されている「独創的高機能材料創製技術」プロジェクト(平成8年度〜12年度)のうち、「縮合系精密構造制御の研究開発」で得られたもの。この研究開発では、エンジニアリングプラスチックや繊維などとして使用されている縮合系高分子の新しい重合プロセスや分子量、モノマー配列構造等の精密制御をテーマに据えて研究開発を推進している。今回開発した超高分子量ポリカーボナートは、従来縮合重合的に合成していたものでは抑えることが困難であった重合停止反応や副反応が起こりにくい条件を構築したものであり、これまでの縮合系ポリマー合成技術の欠点をカバーするものである。

注1)芳香族ポリカーボナート:ビスフェノールAの炭酸エステル構造をもつ透明な難燃性熱可塑性プラスチックで、耐熱性、耐老化性にに優れ、きわめて強靭で衝撃に耐え、金属にかわるものとして広く使われている。(身近にはコンパクトディスクに使われている。)



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