National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) This page is a page of the former research institute. We stopped updating on March 31.2001.
E-mail to webmaster (Japanese) E-mail to webmaster (English)

超臨界二酸化炭素を溶媒とした高分子微粉体の作成法


− あらたな無溶媒重合プロセスに向けて −

物質工学工業技術研究所
佐古  猛
大竹 勝人
日本油脂株式会社
水口 勝信


to English

 従来技術では、高分子微粉体は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの方法により得られた高分子を、回収・乾燥・粉砕する事により得られている。しかしこれらのプロセス、特に溶媒を使用する溶液・懸濁・乳化重合においては、使用する溶媒の処理が大きな問題となっている。
今回開発した技術は、従来からの水や有機溶媒に代わり超臨界状態の二酸化炭素を重合溶媒として用いることにより、塗料、インク、接着剤、成型品、医療品などの製造プロセスに直接使用可能な高分子微粉体を一段で合成するものである。この方法の最大の特徴は、@環境に有害な有機溶媒を使用しない、A直ちに工業プロセスに使用できる高分子微粉体を一段で製造できる、ことである。この手法が実用化されれば、自動車の排気ガス中に含まれる炭化水素とともに光化学スモッグの原因物質として欧米を中心に排出規制が強化されている有機溶媒を使用しない、新たな無溶媒高分子重合・微粉体化プロセスとして、環境に優しい工業プロセスの実現が可能になる。

 今回開発した技術の成果は、大きく分けて以下の二点である。

 (1)超臨界二酸化炭素中に、特殊な長鎖フッ化アルキル基を側鎖に持つアクリルエステルポリマー(ポリヘプタデカフルオロデシルアクリレート、ポリヘプタデカフルオロデシルメタクリレート等)を界面活性剤として加え、粒径のそろった高分子微粉体を一段で作成する方法を日本で初めて実証

メチルメタクリレート重合生成物
(ポリペプタデカフルオロデシノレアクリレートを界面活性剤として使用)

 (2)上記のような特殊で高価なフッ化物系の界面活性剤を用いず、汎用モノマーである酸モノマー(アクリル酸、メタクリル酸など)を加えるだけで、(1)より真九℃においては劣るものの、粉砕法などで得られるものよりは微細な高分子微粉体を一段で作成する方法を開発

    

メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合生成物

 なお、本研究は、平成10年6月より行われている日本油脂株式会社への技術指導の過程において得られた成果である。


戻る