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燃料電池は効率が高く有害な排出物のないクリーンな発電装置として現在注目され、盛んに研究開発が進められている。例えばリン酸型燃料電池は商用機が市場に出回りつつあり、また固体高分子型燃料電池は来世紀初頭には電気自動車及び一般家庭用据え置き電源として、実用化されようとしている。 燃料電池に関する重要な技術として、燃料電池の心臓部であるガス拡散電極の改良と高性能化を目指した研究が盛んに行われている。ガス拡散電極とは燃料ガス(水素等)あるいは酸化剤ガス(酸素や空気)が電子を放出したり受け取ったりして生成物(H+イオンや水等)を作り出す、燃料電池の重要な構成要素であり、その高性能化のためには新しい触媒(反応を促進するもの)の開発や電極の構成法等、種々の研究開発課題について検討する必要があり、解決すべき研究要素は膨大である。また、実際に試験する段階では試行錯誤に少なからず頼らなければならないのが実状である。 従来はこのような試験を行うに際し、燃料電池の試験用装置(実セルあるいは一ユニットのみの単セル)を用いて発電試験を行うことで性能評価するのが一般であった。 しかしながら、これでは研究に要する費用及び人員が膨大となる上チェックすべきパラメーターが多くなりすぎて、一定の条件の下で調べたい要素のみを取り出して解析することが困難であった。そのため、ガス拡散電極の性能及び耐久性の試験を再現性良く簡便に行える装置の開発が望まれていた。 本装置はそのような目的のために開発されたもので、ガス拡散電極の特性をよく反映させ、再現性良く試験できることを考慮して構成されたモデル試験器である。 装置の外観を図1に示す。試験片ホルダーには試験すべき触媒を担持した試験片を乗せ、開口部を有するキャップを被せ露出した試験片表面を電極とし測定に供する。装置にはホルダーの他に参照電極、対極,、温度コントローラーなどが組み込まれ、縦向きにセットされた試験片表面の一部(上半分)が気相側に、他の一部(下半分)が電解質溶液を含む液相側に接する。ホルダーは外部の駆動装置により一定速度で回転し、試験電極の表面は気相と液層を交互に循環することによって常に表面が更新されながら気・液・固の3相界面を形成することが特長である。試験電極、参照電極、対極はポテンショスタットのような測定装置に接続され連続的あるいは随時電気化学測定による触媒の評価が可能である。 なおこの装置を用い、固体高分子型燃料電池酸素極における触媒分散法、触媒構成法、及び耐久性について試験を行ったところ、他の電気化学的方法及び燃料電池単セルにおける試験の結果との対応について良好な結果を得た(図2)。 本装置は、燃料電池用電極触媒やガス拡散電極の材料試験を行うために、物質研が東京理科大学及び三菱電機(株)と共同で開発したもので、製作は北斗電工(株)が行った。
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図1.装置の外観
